今日もお越しくださいまして、ほんとうにありがとうございました。
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今回の定期演奏会を開くにあたって、「お客さまに一番伝えたいことは何?」と尋ねる私に「お客さんが、私たちを大切に思ってくださることを 私たちが知っているって伝えたい」と、プレーヤーの一人が話しました。難しい言いまわしです。意味は深く、人間として難しく、大切なことを語っていると思いました。私は心が揺り動かされて、しばらく言葉が出ませんでした。それを察して、プレーヤーたちがさりげなく、私の背中や頭や手や足をさすってくれました。一般に知的能力にハンディをもっている人たちは、不器用さから、人の心の奥深いものにまで気づかないのでは・・と思われがらですが、私は楽団あぶあぶあのプレーヤーたちと21年、ミュージカルチームのプレーヤーたちと11年一緒に活動していて、知的能力のハンディと、心の成長や充実とは全く別のもので、関係はないと感じます。心の豊かさと知能とは無縁かも知れません。
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人の”心”は、机上の伝達でなく、人と人とが直接に関わって、温められて育って、成熟してゆくせいでしょうか、ダウン症や自閉症の私の友人たちは、これまでにお世話になり、出会ったたくさんの人々、父や母や兄弟、姉妹、学校の先生方やご近所のみなさん、ボランティアの人たちや学友など、多くの方々の心を受けて、受け継いで、それはそれは深い心を育て持っていると思います。他人の気持ちをくみ取り、他人の心のなごやかさや楽しさを一番に求めて、接しようと努めるプレーヤーたちの心の深さ、人間としての聡明さは、時として、まるでこの道の達人のようだと思う場面に、私は出会い続けてきました。
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お客さんに「私たちのこと、大切に思ってくださって、ありがとうございますって伝えたい」この言葉が今日のあぶあぶあとミュージカルチームの共演コンサートの夢につながっています。共演は、かなり難しいと私は思いましたが、プレーヤーたちの確かな意志を頼りに皆でガンパリました。いつもならダンスの1シーンを作るのに何年もかかるのですが、あぶあぶあの演奏曲「スターナイト メモリー イン 奄美」に乗って踊るダンスは、2ケ月で創り出しました。すごい集中力でした。一方、あぶあぶあの演奏は、1曲仕上げるのに1年ほどかかるのですがミュージカルの曲の2曲を2ケ月でなんとか演奏にまでこぎつけました(まだ未完成ですが)。
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滋さんと、敏之さいはしばしば残業があり、練習に来るのが遅くなりがち。夜8時をすぎても練習場へ帰って来ないことがあります。あぶあぶあは誰一人が抜けても、練習にも演奏にもなりません。まだかまだかと首が長くなる頃、全身から湯気を立ちのぼらせて滋さんが、敏之さんが、練習場に駆け込んで来ます。「ただいまー!」夕食も後回しに滋さんがドラムをたたき始め、敏之さんのピアノの音がはじけます。二人を待ち続けた一男さんは、笑ってはずんでマリンバに向かい、滋弥さんはますます真剣そのもの。ドラムをたたく滋さんの口に、私が横からオニギリを放り込んで、それを香代さんがキーボードをひきながら見やってニッコリ・・。私たちは、本当に想像もできなかった楽しい人生を与えられていると思います。皆さんお一人にひとりに大切にしていただいたお蔭です。
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今、世の中が少し混乱していて、何事も予想がつきにくいです。私たちも、みんなそろって平等に老いに向かっていますが、日々の生活の中でも予想がつきにくいことが起こります。それでも私たちは、「地球の歴史の中で、一番すてきな時代に生まれてきた」と思います。自分の持っている力でもって、周りの人を思いやり、自分を大切にして、心を尽くして生きるプレーヤーたち。私はそんな彼らに添いつつ、みんなで協同して、創造してゆける舞台と人生をいよいよ大切に思います。どうぞ、これからもお力添えくださいますよう、よろしくお願いいたします。今日は本当にありがとうございました。
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2002年9月8日
楽団あぶあぶあ&ミュージカルチームLOVEを代表して
ひがしのようこ
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